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登山時の熊対策を考える

 

最近熊の出没が多いですよね。

石川県内でも
熊出没で怪我をしたニュースが流れ、
山の近くで普段生活している人が
熊に襲われているのに

登山に行っても大丈夫なのか?
と不安にもなります。

 

私も山の近くで
熊を目撃したことはありますが
(見たのは北海道ですが)
遠目でしか見たことはありません。

泣き声がウォーと
響くような鳴き声で
遠くからでも恐ろしいと感じたのを
覚えています。

 

今回は今後も安心して
登山を楽しむためにも
熊対策について考えていきます。

 

  • 近年の熊出没ニュースを振り返る
  • 日本に生息する熊の特徴
  • 登山においての熊対策考察

 

令和2年は熊の目撃情報が多い

令和2年は熊を目撃、被害ニュースが
例年に比べ異常に多かったです。

特に石川県内は
ここ最近、
ほぼ毎日熊被害のニュースが
流れているほどです。

石川県内の熊被害情報

石川県内の熊目撃情報は
痕跡を目撃したのを含めると
令和2年は
10月までで600件を超えています。

昨年は約400件だったのですが、
実は昨年も前年に比べて、
目撃件数が約2倍に増えています。

 

令和2年は特に人里へ降りてきて
人間を襲うケースが
多いため注目されていますが、

近年では徐々に熊が人間の見える所まで
降りてきているのがわかります。

石川県/ツキノワグマによる人身被害防止のために

 

特に令和2年に注目されたのは
加賀市のショッピングセンターに出没した
ニュースです。

 

19日午前、石川県加賀市のショッピングセンターにクマ1頭が侵入して警察などが捜索を続けていましたが、午後9時過ぎ、地元の猟友会が、店の中でクマを見つけ駆除しました。

19日午前8時前、加賀市作見町にあるショッピングセンター「アビオシティ加賀」で、敷地内にクマがいるのを従業員が見つけ、警察に通報しました。

ショッピングセンターが設置した防犯カメラには搬入口から店内に入るクマ1頭が写っていたということで、店は従業員全員を避難させるとともに、19日の営業をとりやめる対応をとりました。

クマはその後も店内にとどまっているとみられたことから、警察は機動隊を出動させるなどして警戒にあたり、地元の猟友会とともに捜索を続けました。

加賀市によりますと最初の通報から13時間が経過した午後9時過ぎ、猟友会が店の中にいたクマを駆除したということです。

従業員の男性は「お客さんにけが人がいなくてよかったです。まさかクマが出るとは思いませんでした」と話していました。

ショッピングセンターを訪れた男性は「店に入ろうとしたらクマがいると言われ、驚きました。とても恐いです」と話していました。

石川県ではことし、統計を取り始めた平成17年以降で最も多い11人がクマに襲われてけがをするなど、被害が相次いでいて、県は県内全域にクマの「出没警戒情報」を出して警戒を呼びかけています。

ショッピングセンターに侵入のクマを駆除 石川 加賀 | NHKニュース

 

この時点ですでに多くの
熊被害が出ており、
その後も路上や学校内で熊が出没し
襲われて怪我をするといったニュースが
連日報道されている状況でした。

最高警戒レベルの「出没警戒情報」が
10年ぶりに出されるなど
警戒が強まっていました。

登山口の熊被害情報

登山へ出かける事が多いので、
登山関係の熊被害も見ていきます。

 

北陸の登山口での熊被害情報は
富山県の薬師岳の登山口で知られる
有峰林道の折立口
熊被害が多発しました。

置いていたザックを荒らしたり、

キャンプ場のテントを荒らしたり、

車のフロントガラスを割って、
食べ物を取っていくなど、

熊被害が多いので、
令和2年8月末からキャンプ場は
閉鎖されています。
(令和2年10月末時点)

 

最近は熊も出ていないので、
登山客は多いようですが、
怖いですね。

 

私も令和1年8月に
薬師岳に登山へ行きましたが、

人気の登山口なので、
現在も休日は駐車場に
結構車が停まっているようです。

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熊について考える

普段登山している事もあり、

住んでいる石川県内でも
熊被害が多発しているので、

熊対策について考えてみる事にしました。

日本に生息する熊の種類

日本に生息している熊の種類は

  • エゾヒグマ
  • ツキノワグマ

の2種類です。

 

ヒグマは北海道のみ
ツキノワグマは本州全域に
生息しています。

 

実は
九州沖縄では熊は絶滅しており、
中国四国地方では絶滅危惧種のため
出会う事はほぼありません。

 

熊の特徴

 

日本に住む熊は

日本に生息する熊の共通点
  • 視力はあまり良くない
  • 聴力と嗅覚はかなり良い
  • 臆病(例外あり)

といった特徴があります。

 

熊の種類エゾヒグマツキノワグマ
生息地北海道本州(九州では絶滅、中国四国は絶滅危惧種)
食べ物主に草食
(ブナの実や
どんぐりなどの植物)
春~初夏:フキやウド等の植物
夏以降:昆虫等の肉食
活動時間昼行性
人を避けて
夜行性に変わる場合も
夜行性

 

面白いのが
熊は左腕の攻撃の方が強く、
左利きが多いとも言われています。

熊が人を襲う場合の特徴

熊は基本的に臆病ですが、
例外があります。

その例外の場面で
人を襲う事があるのです。

熊が人を襲う場合の特徴

母性本能:近くに子熊がいる場合

防衛本能:傷を負っている場合

執着性:自分の獲物に近づいた場合

反射:人間と不意に遭遇した場合

常習化:人間の食べ物を知ってしまった場合
(人間の食べ物の味を覚えると
その食べ物に執着し、常習化する)

 

近年では山の中で熊が食べる木の実などの
食べ物が不足している事で
人里まで降りてきています。

実際は山の中で熊が食べる物は
増えているという見解が多く、
熊の生息数が増えたからという事も
言われています。

 

熊も人間のように同じ物ばかりではなく、
色々な物を食べるので、
人間の食べ物にも
手を出しているのかもしれません。

人間の食べ物を知ってしまったり、
人を襲ってしまうと、
人間を恐れなくなってしまう事もありえます。

【蛇足】熊がかわいいという幻想

この写真は
私が北海道に住んでいた時に行った
熊牧場の写真です。

 

 

有珠山火口原展望台までは
近くのロープウェイに乗って
行けるので
面白い観光スポットです。

 

 

話はそれましたが、
熊のかわいいキャラクターって
いっぱいありますよね。

そのせいか
熊が可愛い物であるという
イメージがある気がします。

 

実際の熊は可愛い物ではありません。

こんな飼いならされて
手を振って餌を求めているような熊は
野生にはいないでしょう。

 

最近薬師岳のふもと
折立登山口では
車の窓が割られて、食べ物が取られ、
登山口が閉鎖になりました。

 

人に慣れてしまうと
味をしめて人間の食べ物を狙ってきます。

全く可愛いものではありません。

熊を駆除する事に対する苦情が増えている

 

熊が可愛いと思っている人が多いのか、
熊を駆除することに対する苦情が
殺到しているようです。

東北の猟友会に来る苦情の多くは
関西弁の人が多いとの事です。

 

殺人クマでも駆除しないで!……猟友会や自治体に抗議電話する人々の正体(デイリー新潮) – Yahoo!ニュース

 

自分の身に危険を感じていない人には
どう説明しても
納得してもらえないと思いますし、
ツキノワグマ自体は保護対象動物なので、
苦情を言う人の気持ちも
わからなくはありません。

しかしながら、大事なのは命です。
危険にさらされないように
対策を講じなければならないのは
事実だと思います。

登山での熊対策

登山での熊対策には
何が必要なのか、
自分なりに考えて行こうと思います。

熊に出会わないようにするのが大切

 

熊被害に会わないためには
熊に会わない事が重要になります。

基本的には熊も人間と
会いたくないと思っているはずです。

 

熊に会わないようにするためには

  • 登山前に目的地の熊情報を調べておく
  • 音を出して自分の存在を知らせる
  • 周囲に気を配る
  • 食料をしっかり管理する
    (山にゴミなどを捨てない)

が重要です。

 

熊鈴

 

音を出して、
自分の存在を知らせるための道具として
熊鈴があります。

 

しかし人に慣れていたら、
逆に居場所を知らせてしまう事になるので
意味がないとの意見もありますが、

個人的な考察になりますが、
熊鈴やラジオを流しっぱなしでは
常に音が鳴り続けているので、
音の異常に熊が気が付けない場合が
ある可能性もあります。

 

さらに熊鈴だと
風が強い日や沢の近くでは
音がかき消されてしまう場合があるので、
効果が無い場合があります。

 

熊鈴のリスクとして
登山では自然の静けさを
楽しんでいる人がいて、
常に自然に反する音を出し続けると
そういった登山客から、
クレームが出る場合があります。

 

実際に熊鈴を鳴らしていた登山客が
他の登山客へがうるさいと
文句を言っているのを
見かけたこともあります。

長々と説教めいた事を言っていて、
「そこまで怒らなくても…」
と思いましたが、
登山の楽しみ方は人それぞれ自由なので、
気にする人も多いのかもしれません。

 

もし熊鈴を持って行くなら、
高音で遠くまで音が届き、
消音機能付きのものにしましょう。

常に音を鳴らしていると
うるさいので周りの迷惑になります。

カラビナ付きだと取付が楽です。

熊スプレーは必要か

 

一般人が登山をするのに
熊スプレーを携帯すべきなのか

結論から言うと必要はないです。

理由としては

  • 実際熊と出会っても使いこなせない
  • 値段が高い
  • 使用頻度はほぼないが使用期限は短い
  • 使い方、保管方法を間違えると危ない

 

  • 実際熊と出会っても使いこなせない

すぐ使えるようにしておかないと
何の意味もないので、
事前に使い方を訓練する必要があります。

突然熊と遭遇した時に
冷静でいられないと思います。

 

  • 値段が高い
  • 使用頻度はほぼないが使用期限は短い

値段が1本1万円近く
使用期限も長くて3年ほどなので、
ほぼ使う事がないのに
無駄になり、処分の手間が増えるだけです。

その処分自体も
スプレー缶の中身を空にして捨てるなど
面倒な上に処分の方法を間違えると
かなり危険です。

 

 

  • 使い方、保管方法を間違えると危ない

さらに使い方や保管方法を誤ると
事故につながってしまいます。

熊を撃退するためのスプレーなので
当然人間にも効きます。

使用する際、風下で噴射してしまうと
自分に降りかかる可能性があります。
そうなってしまうととても危険です。

 

熊スプレーの使用方法や保管方法を
間違えて起こってしまった事故は
いくつもあるので、
熊スプレーを保有するリスクの方が
大きいと感じています。

 

 

 

熊スプレーの事故

 

熊スプレーの使用方法や保管方法を
間違えた結果、
大きな事故引き起こしてしまうケース
あります。

令和元年に起きた
熊スプレーの事故を紹介しておきます。


クマ撃退スプレー原因か 北海学園大の異臭騒ぎ

札幌・豊平署は10日、北海学園大(札幌市豊平区)で9日夜にあった異臭騒ぎで、当時構内の建物にいた山岳系サークルの部員の1人が「登山に携行するクマ撃退スプレーを誤って噴射した」と話していることを明らかにした。

署によると、学生の申し出を受けた大学側が警察に説明した。スプレーが騒ぎの原因の可能性があるとみて調べている。

9日午後6時半ごろ、北海学園大から「異臭がして負傷者がいる」と119番通報があり、10~20代の男女5人が喉に痛みを訴えて救急搬送された。診察の結果、いずれも異常はなかった。

引用:クマ撃退スプレー原因か 北海学園大の異臭騒ぎ – 産経ニュース

 

熊スプレーの安全ストッパー自体は
そう簡単に外れる事は無いと思いますが、

  • ストッパーが気が付かないうちに
    外れてしまった。
  • スプレー缶をぶつけてしまい
    破裂してしまった。

などが原因の事故は意外と多いです。

 

他にもロープウェイで移動中に破裂して、
登山客が病院に運ばれたり、

蜂を駆除するのに熊スプレーを使用して、
周囲の人が病院に運ばれたりなど、

使用方法や保管方法を間違えると、
大きな事故につながりかねません。

熊スプレーが必要な場合は?

 

一般登山客には熊スプレーは
必要ありません。

 

しかしながら、
仕事で頻繁に山に入る人は
必要になるかもしれません。

山岳ガイドや林業を営む人、
山菜取りなどで山へ入る場合は
登山を外れる事もあると思うので、
熊スプレーを携帯する必要が
あると思います。

 

他には
カムイエクウチカウシ山などの
熊と遭遇する可能性が非常に高い
場所へ行く場合
必要になると思います。

 

福岡大学ワンゲル部のヒグマ事件は
熊被害の事故で有名です。

福岡大学ワンダーフォーゲル部ヒグマ事件 – Wikipedia

 

そういった場所へ行く場合は
熊スプレーは必須になると思います。

 

熊対策で出した結論

 

  • 常に音が出続ける事が無く、
    周りに迷惑をかけにくい。
  • 沢沿いや風の強い日でも
    音を遠くまで届ける事ができる。

もので熊に自分の存在を気が付かせる
必要があると考えました。

 

となると高音の大きい音が出る
熊対策のホイッスル
用意するのがいいかと思いました。

 

山で遭難した時も使えるので、
あると便利だと思いました。

沢沿いや見通しの悪い場所など
熊が出そうな場所で
いつでも吹けるよう
ザックに取り付けておく予定です。

 

電子ホイッスルを使っている方も
いるみたいですね。

POSTED COMMENT

  1. ゆかちん より:

    おはようございます。
    今年は熊の出没がホントに多いです。
    冨山では普段ならあり得ないところにも出るようになりました。
    川や海を使って移動しているらしくいまや海も危ないと言われ始めています。
    しかも、人を怖がる臆病なベテラン熊ではなく大人になったばかりの比較的若い青年熊が多いらしく熊鈴等では効き目が薄いとのこと。
    山には行きたいけど熊が怖いので躊躇してます。

    • 石川県も毎日熊が出ているニュースばかりですが、
      やはりここ数年で急増しているみたいです。

      不安はありますが、
      やはり登山はやめられないので
      細心の注意を払って、今年も残り数回
      登っていきたいと思います。

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